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弁護士コラム

協議離婚のバックアップ/ギャンブル依存症の夫から住宅の名義変更に成功しました。

2024年3月8日  協議離婚 

夫のギャンブル依存症によるお金の使い込みに長年悩まされていた40代女性が、突然 夫から離婚を言い出され別居され、そして離婚について考えるようになり相談に来られました。

相談事例

相談者様は、本件依頼時40代の女性です。
相談者様は、結婚後20年余りの間に、相手方である夫のギャンブル依存症によるお金の使い込みに長年悩まされてきました。
相談者様が、夫婦の財産の管理をすることで致命的な経済的破綻は避けられていましたが、夫によって今後の経済的な見通しが立たず、将来にも不安を感じていました。
そんな中、相手方が離婚を言い出して別居するようになり、相談者様も離婚について考えるようになりました。そして、今後の将来の展望をつけるために当事務所にて相談することにしました。

解決結果

1.離婚自体は相手方が言い出したことであり、離婚条件についても相場より相談者様に有利なものが相手方から提案されていました。あとは、いかにそれを気が変わらないうちに、文書化して確実なものにしていくかが問題でした。
2.弁護士が代理人として介入することも検討しましたが、この状況で弁護士が入ると相手方を警戒させることになると考え、協議離婚と継続相談によるバックアップを行いました。
3.協議離婚書案を作成し、相手方への切り出し方など相談者様の疑問を解消しつつ、相談者様と相談を繰り返していきました。
4.その結果として、相談者様の手で協議離婚書を取り交わすことができ、財産分与で自宅不動産を相談者様のものとしたうえで、住宅ローンを夫婦の預金で一括返済して名義変更を成功させるという協議離婚を成立させ、無事に不動産の名義変更に成功することができました。また、預金等の財産も養育費も今後の生活に困らないものを確保することができました。

弁護士のコメント

相手を警戒させないために本人自身が交渉したこともあり、心の準備などに時間はかかりましたが結果として、自宅不動産と十分な生活資金と養育費を確保することができました。
代理人が前面に出てしまった場合には、相手方を警戒させることになり、このような結果の獲得は困難であったと思います。弁護士が代理人として表に出ることが全てではないと感じる良い例だったと思います。

【婚約破棄】結婚を約束している相手方から、婚約の不当破棄として多額の金銭を請求されていた事件。

2023年4月27日  慰謝料請求 

相談者様40代の男性は、婚約の不当破棄として高額の金銭の支払いを請求され、交渉が難航していたことから当事務所に依頼されました。

相談事例

相談者様は、本件依頼時40代の男性です。
相談者様は、結婚を約束している相手方との婚約解消に際し、婚約の不当破棄として高額の金銭の支払いを請求されていました。そして、相手方との交渉が難航していたことから、本件を当事務所に依頼しました。

解決結果

1.弁護士は、受任後、相手方との交渉に入りました。本件については、婚約の事実は認められないと考えられた上、相手方の請求は過去の裁判例に照らしても高額であり、本事例について訴訟となった際に想定される認容額を遥かに超えるものでした。そこで、裁判例に照らし、妥当な解決となるように相手方と交渉をしていきました。
2.もっとも、本件については相手方としても強い怒りを感じていたことから、請求は認められないと頭ごなしに否定するのではなく、相手方の気持ちにも配慮した交渉を続けていきました。
3.その結果、支払額について、双方が納得いき、裁判例に照らしても妥当な和解を成立させることができました。
4.また、本件では当時、相手方が相談者様名義のマンションに居住していたことから、退去や所有物の処理についても問題となっていました。
5.そこで、この点についても和解案の中に含め、相手方と継続して連絡を取り続けることで、結果として問題なく退去いただいた上、全面的な解決を図ることが出来ました。

弁護士のコメント

婚約破棄事例では、支払額の他にも、マンションの退去や所有物の帰属等、様々な問題が生じます。
本件では、裁判上婚約の事実が認められないと考えられる事例ではありましたが、相手方の請求は認められないと頭ごなしに否定するのではなく、裁判例に照らしつつ妥当な解決を図れるよう終始誠実な対応を心がけました。
マンションの退去等の問題もありましたが、このような妥当かつ誠実な対応を続けたことで、相手方も誠実に対応してくださり、終始穏便に解決を図れることができたように思います。

【不貞の慰謝料として合計414万8440円獲得】依頼者の気持ち寄り添いながら、高額の慰謝料請求を勝ち取りました。

2023年1月16日  慰謝料請求 

相談事例

相談者様は、本件依頼時30代の女性です。
相談者様は、配偶者である相手方と5年間の交際を経て結婚し、同居しました。
しかしながら、入籍後まもなく相手方が不貞行為をしているのではないかとの疑いが生じました。家には複数の女性とのプリクラやラブホテルのカードなどが発見されたのです。相談者様は相手方を問い詰めたところ、相手方は相談者様に誓約書を書いて提出しました。
しかしながら、相談者様は、相手方に不信を抱いたので、その後、探偵会社に調査を依頼して、2回にわたって調査を行ったところ、相手方が複数の女性とデートをし、その中には複数回にわたってラブホテルに入っている女性もいることが判明しました。
相談者様は、その探偵会社の調査報告書を受けた後、調査会社のことを伏せて、相手方に不貞を問い詰めましたが、相手方はとぼけたため、相談者様は離婚を決意して、相手方と別居し、当事務所の弁護士に相談して本件事件を委任しました。

解決結果

1.相談者様は、当初はすぐにでも離婚をしたいと考えていましたが、受任後まもなく離婚をするにあたっての気持ちの整理をしたいと言いました。離婚という結論は決まっていたのですが、相談者様の気持ちの区切りがなかなかつきませんでした。弁護士は、何よりも相談者様の気持ちを尊重して、定期的に面談を行いながら気持ちの整理の手助けをしつつ、相談者様の気持ちが整うのを待ちました。

2.依頼してから約1年後に、相談者様はようやく離婚と慰謝料請求をすることを決めました。そこで、弁護士は離婚と慰謝料414万8440円(慰謝料300万円+探偵費用114万8440円)を求める内容証明郵便通知書を送りました。しかしながら、指定された期日までに相手方から何らの連絡もありませんでした。そこで、弁護士は相手方に対してLINEで返事をするように督促するとともに、期日までに連絡がなければ婚姻費用分担と離婚の調停を起こす旨を連絡しました。

3.それでも相手方は何もしてこなかったので、離婚及び婚姻費用分担の調停を行うとともに、相手方とホテルに入った不貞相手の女性に内容証明郵便を送り、そのことを相手方に報告しました。

4.そうしたところ、相手方は、ようやく弁護士に連絡をしてきて、離婚に応じること、慰謝料についても支払う意思はあるが一括払いは難しいこと、調停手続を避けたいことを伝えてきました。

5.そこで弁護士は相手方と協議し、頭金300万円を支払、離婚届を送付すれば調停の取り下げること、この場合には残りの慰謝料114万8440円については毎月8万円ずつ(最終回10万8440円)の14回分割での支払いを認めるとの提案をし、相手方がこれに応じました。そこで、弁護士は相手方とその内容の協議離婚書を作成し、相手方は記入済みの離婚届を交付したので、離婚が成立しました。そして、弁護士は離婚と婚姻費用分担の調停を取り下げました。事件処理開始から3か月で離婚成立となりました。

6.この間、不貞相手は、代理人弁護士をつけて、自分は既婚者だと知らずに交際したのであって、自分には慰謝料の支払義務がないこと、相手方に慰謝料請求をすると主張してきました。弁護士は、不貞相手が慰謝料請求すると相手方の慰謝料請求の支払が滞る可能性があると考えて、余計なことをするな、余計なことをすれば訴えると圧力をかけました。

7.その結果もあってか、相手方は概ね予定どおり分割払いの支払いを行い、慰謝料414万8440円の回収をすることができました。

弁護士のコメント

依頼を受けた後、一年間の間、特に事件を動かさずに相談者様の話を聞き、気持ちに寄り添えたことで、相談者様が納得する形で事件を終えることができたことが一番の結果ではないかと思います。
事件処理は受任後直ちにするのが原則ですが、相談者様は5年も交際して結婚に至った方と離婚をしようとしているわけで、自分なりの気持ちの整理をしたいと思うことは十分に理解できたので、ゆっくりと気持ちの整理がつくのを待とうと思っていました。
事件処理の点では、動くと決めたら一気呵成に行動し、こちらの動きを無視する相手方に対して段階的に圧力をかけて交渉の場に立たせることができたこと、不貞相手が余計なことをしないようにけん制できたことが上手くいった要因ではないかと思います。結果としては事件処理から3カ月、相手方と話をするようになってから3週間で離婚成立となりました。
私には、離婚成立までに時間をかけることは避けたいという気持ちがありました。それは、離婚までに時間がかかれば、それだけ再スタートが遅くなり、一生懸命考えた時間に対して後悔の気持ちが生まれてしまうのではないかと考えたからです。今回無事に迅速に離婚の成立に辿り着き、慰謝料の回収も滞りなく行うことができ、結果の面でも、プロセスの面でも相談者の方に満足していただけたので本当によかったと思っています。

【165万円→0万円】内縁の妻からの不貞慰謝料請求を全額退けました。

2022年12月19日  慰謝料請求 

相談事例

相談者様は、本件依頼時30代の女性です。
相談者様は、過去にAという男性と交際したことがありました。Aは過去に相手方と内縁関係にありましたが、内縁は破綻して、文書で内縁を解消した旨を述べていました。また、Aは内縁解消のことを周囲の人たちにも述べていました。そのため、相談者様はそのことを聞いてAと交際をしました。
その後、しばらくして相手方から相談者様に連絡があり、相談者様は、内縁解消後に交際した自分が不貞をしている認識はなかったものの、トラブルに巻き込まれることを恐れて、Aとの交際関係を解消しました。約束通り、Aの関係を解消したことから相談者様はこの件は解決したものと思っていました。
そうしたところ、そこから約2年が経過した後に、相手方から相談者様に慰謝料150万、行政書士による文書作成費用6万円を内容証明郵便にて請求してきました。そこで相談者様は本件事件を当事務所の弁護士に依頼しました。

解決結果

1.弁護士は相談者様からの言い分をまとめ、内縁解消後の交際であり不貞行為には該当しないこと、相手方からの「ここで別れるなら、お金も請求しない。出るとこにも出ない。」の発言は条件付きの債務免除の意思表示であり、通知人はそれにしたがったのであるから債務免除により支払義務がないことを主張し、相手方に通知しました。

2.そうしたところ、相手方からはそれ以降何の連絡もなく、特に交渉が進むということもありませんでした。その後、消滅時効期間が満了したので、弁護士は相手方に対して消滅時効の援用の通知を行い、相手方の慰謝料等の請求権を消滅させました。

弁護士のコメント

相手方は弁護士を立てずに本人による請求ではあったので、弁護士によって事実関係を法的に整理して説得力のある通知・主張を最初に行って、相手方を沈黙させることができたのが本件の成功要因だったと思います。
相手方とAとの関係は内縁関係であったこともポイントだったように思います。内縁は婚姻関係と異なり相手方への意思表示だけで解消できます。
もちろん、正当な理由がなければ慰謝料の問題になりますが、内縁の解消自体は意思表示をするだけで決まります。相手方の請求はAとの内縁関係があることが前提でしたが、婚姻関係とは違い容易に解消できるものであることから、離婚とは異なり相手方が強気にでることができなかったのではないかと推察しています。

【婚姻費用減額12万→6万円、養育費減額10万→4万円】婚姻費用と養育費を算定表を超えて減額しました。

2022年12月19日  離婚手続, 離婚調停 

相談事例

相談者様は、本件依頼時30代の男性です。
相談者様には、配偶者である相手方と相手方との間に子どもがいました。
相手方は、ある日突然子供とともに行方をくらまし、婚姻費用分担調停と離婚調停を申し立ててきました。
相手方の身勝手さに怒りを覚えた相談者様は、突然の請求に驚き、当事務所の弁護士に相談し、弁護士に本件事件を委任しました。

解決結果

1.相談者様は、離婚自体はやむなしと考えていました。また、財産分与として特に分与するような財産もありませんでした。本件で一番の論点になったのは婚姻費用と養育費の額です。

2.相手方からは代理人弁護士を通じて婚姻費用として12万が求められていました。算定表を単順に当てはめると12万円に近い金額になりました。ただ、相談者様には住宅ローンや相手方との婚姻生活の中で借り入れた借金の返済などがあり、月12万円もの返済をすることはできませんでした。他方で相手方は生活保護を受給しており、当面の生活に困ることは全くありませんでした。
こちらは、借金の返済の状況や相手方の生活費用の立替などを主張しましたが、裁判所より、裁判所が審判で判断すれば10万円になると言われていました。

3.このとき、相手方が相談者様と一緒に住んでいた自宅に残してきた相手方の物品や子供の用品を引き渡すように要求してきました。弁護士は、ここが相手方の弱みであると考え、相手方の物品の引き渡しをする代わりに婚姻費用の減額を迫りました。また、相手方に対して審判になったら任意では支払わない、強制執行するように告げました。これは、相手方が生活保護受給中であり、弁護士との契約が法テラスを介したものであることが想定されたため、強制執行をすることになれば弁護士にとって費用対効果があわなくなるだろうことも計算に入れてのことでした。このような駆け引きの結果として婚姻費用は12万円から6万円まで減額され、相談者様の収入の中で支払うことができるようになりました。

4.養育費についても相手方は再度10万円の請求をしてきましたが、婚姻費用で6万円と決まった以上、それ以上養育費が認められるわけもありませんでした。当方としては養育費は4万円で、裁判所の判断でこれ以上の金額になるならば任意の支払はしないと再度圧力をかけ、最終的に養育費は4万円とした離婚が成立しました。

弁護士のコメント

相談者様が借金で苦しんでいたのは、相手方との生活を維持するためでした。それにも関わらず、一方的に子供を連れて別居し、借金をした経緯を無視して高額の婚姻費用と養育費を得ようとしていたのはおかしいと思い、減額するべく戦いました。
裁判所すらも一時は高額の婚姻費用を認めるような話をしていたこともあり、一時は悩みましたが、相手方の弱点を上手くついて婚姻費用と養育費の減額に成功することができました。
相談者様にも喜んでいただけてよかったです。

調停離婚のメリットとデメリット

2022年6月13日  離婚手続, 離婚調停 

 離婚調停とは、 家庭裁判所において調停員が間に入って話し合いを進め、離婚を行う手続です。必ずしも離婚を目的とするだけでなく、夫婦関係調整調停という形で夫婦が円満になるように求める形でも利用されます。

 離婚調停は、裁判と違って非公開の調停室で行います。調停委員さんは男女1名ずつの合計2名です。離婚調停では、当事者が顔を突き合わせずに、順番に調停室に入って調停委員に話をする形式で行われます。互いの言い分は調停委員さんを通じて相手方に伝えられます。弁護士が就いていても、基本的に当事者に出頭が求められます。また、離婚成立時には当事者の意思確認のためにかならず当事者が出頭している必要があります。

 離婚調停のペースは思ったよりもゆっくりです。1カ月に1回から2カ月に1回くらいです。コロナ渦で人の数に配慮するようになったためかなかなか期日が入らないことがあります。

 離婚調停のメリットは 中立を建前とする調停委員を交え冷静に話し合いができます。前回の動画でも話した通り、夫婦の力関係に差があるなどの要因がある場合でも、落ち着いて自分の言い分を伝えることができて、一方的に不利益な条件を受け入れさせられるといったことは少なくなります。また、夫婦のどちらが子供の親権者にふさわしいかを判断するために家庭裁判所調査官による調査を実施したり、財産分与に必要な情報を開示させる手続といった、紛争解決機関としての裁判所ならでは手続があります。あとは、調停委員がしっかりとみていることもあって、養育費をきめわすれるとかの離婚条件に漏れがあるということは比較的少ないように思います。また、ある程度議論が進むと裁判所から調停案が出されることがあり、それを起点に話し合いが一気に進むこともあります。

 離婚調停のデメリットは、やはり協議離婚と比べて時間がかかることです。争点が多いと2年以上かかることも珍しくありません。あとは調停委員も当事者から見たときに完全中立と言えない場合があります。調停委員にも色々なキャラクターがあり、当事者と相性が悪く、思うように言い分が伝えられない、言い分を理解してもらえない場合があります。また、調停委員さんにそのつもりがなくても、一方当事者にばかり譲歩を迫ってしまい、その進行に不満を感じるケースもあります。

 離婚調停が満足いく内容になればいいのですが、そうでないことよくあります。このような場合には弁護士に依頼して自らの主張を展開し、自分の納得いく解決を模索することも一つのやり方です。

協議離婚のメリットや使い方

2022年5月25日  協議離婚, 離婚手続 

協議離婚は夫婦の双方の合意による離婚手続です。簡単にいうと、調停離婚や裁判離婚といった裁判所を使わない離婚手続はみんな協議離婚に分類されます。

日本では、離婚のうち約9割がが協議離婚です。調停離婚や裁判離婚というのは割と少数で1割ほどとされています。

協議離婚のメリットは何よりもその速さです。

究極的には離婚届を出してしまえば協議離婚は成立します。

協議離婚で話し合うべきこととしては、①離婚すること、②子供の親権者、③養育費、④子供との面接交渉、⑤財産分与、⑥慰謝料などの事項はありますが、必ずしもこの全部について定めなければならないわけではなく、最低限①離婚すること、②子供の親権者が決まっていれば離婚届を出すことができます。

一刻も早く別れたいという方も多いと思いますので、状況として、先に離婚届だけ出してあとの条件は別途話し合うするということも一つのやり方としてはありうると思います。ただ、最終的には争いになりそうな事項についてはきちんと協議離婚書を作成しておいた方がいいと思います。

【300万円→90万円】不貞の慰謝料請求を減額しました。

2022年2月8日  慰謝料請求 

相談事例

相談者様は、本件依頼時30代の男性です。
相談者様は、女性Aといわゆる男女の関係にあり、Aが相手方と入籍後に2,3回ほど性交渉を行いました。その後、相談者様はAと関係を精算し、それ以降はたまに連絡をとる程度で直接会うこともなくなりました。
最後に不貞行為をした後6年ほどして、Aの夫である相手方が、弁護士に依頼して、相談者様に不貞を理由とする300万円の慰謝料請求の内容証明郵便通知書を送付し、それが相談者様の職場宛に届きました。
相談者様は、突然の請求に驚き、当事務所の弁護士に相談し、弁護士に本件事件を委任しました。

解決結果

1.相談者様は、Aとの関係を解消した後に婚姻をしており、このトラブルが裁判所に持ち込まれ、相談者様の奥様に知られることは避けたいという考えがありました。一方で、相談者様には、ある程度の慰謝料を支払うだけのお金はなく、それを貯めるためには時間が必要でした。

2.弁護士は、過去に不貞行為については謝罪するとともに、6年前の不貞行為を問題としていることから消滅時効の主張を行いました。また、調査の結果として、相手方とAが同居を解消しておらず、離婚していないということから不貞関係が破綻したと認められないこと、不貞関係は婚姻後まもなく数回行われただけであり、継続的な不貞の事案と比べて悪質性が弱く、高額な慰謝料は認められないことを主張しました。そのうえで、早期解決の関係から20万円の解決金を支払うことを提案しました。

3.それに対して、相手方は、不貞行為を認識したのは最近であることから消滅時効の主張は認められないことや、不貞関係により離婚協議中であることを反論してきました。そのうえで、20万円は安すぎる旨を述べてきました。

4.このスタンスで、相手方としては無理にでも訴訟にすることはないだろうと弁護士は予測。訴訟をさせないように牽制しつつ、金額交渉をじりじりと行い、相談者様がお金の用意ができるのを待ちました。最終的に8カ月で相談者様もお金を用意することができ、その段階で解決金90万円という訴訟外の和解が成立しました。

弁護士のコメント

裁判を絶対に避けたいという相談者様のご意向を優先するとともに、相手方との金額交渉を伸ばして資金を用意する時間を稼ぐことを念頭において交渉し、結果として狙い通りの解決に持って行けたと思います。相手方が離婚するのかどうかわからないところがあり、不確定要素は多かったので解決金の判断には悩みましたが、訴訟リスクをとらないことを優先しました。
相談者様の希望を叶えることができてよかったと思います。

【マッチングアプリ・644万9356円賠償】マッチングアプリで知り合って交際に至ったが、真実は既婚者で名前も偽名であったことが発覚。慰謝料500万円を含む644万9356円もの損害賠償を勝ち取りました。

2021年8月11日  未分類 

相談事例

相談者様は、本件依頼時30代の女性です。
相談者様は、本件事件の相手方の男性と既婚者NGのマッチングアプリで知り合い、約5年もの間交際をしていました。相手方は、偽名を使い、職業も医者と自称していました。
相談者様は、交際期間中、相手方のために、結婚を見越して住み慣れた地を離れて、相手方が住んでいる地域に引っ越しました。また、相談者様は、交際期間中に相手方に対して、多額のお金を支払ったり、相手方の旅行する際の宿泊費用を立て替えたりしました。相談者様の収入は少なかったことから、消費者金融で借金をしたり、特別定額給付金を原資にして、そのお金を用意しました。
ここまでの話でもわかるとおり、相談者様と相手方との交際関係におけるパワーバランスは対等とは言い難く、一方的に相談者様が相手方に尽くすような関係でした。相談者様は日々言葉の暴力を受け、それでも別れたくない、嫌われたくないという思いからひたすらそれに耐え続ける状況で、相談者様の状態はマインドコントロールされている状況でした。
そうしたところ、相談者様は、ふとしたことから相手方の本名を知ることになり、相手方が偽名を名乗っていることを知りました。そして、様々な情報を集めて相手方が結婚している可能性が高いことを認識しました。また、相手方が自分以外にも交際している人物がおり、相談者様の不在中に相談者様の住まいに交際相手を連れ込んでいることも把握しました。
そこで、相談者様は悩みながらも、当事務所の弁護士に相談し、本件事件を委任しました。

解決結果

1.弁護士は、相談者様が集めた情報をもとに相手方の住民票と戸籍謄本を取得したところ、交際期間中、相手方はずっと結婚していたことがわかり、配偶者がありながら、独身者を自称してマッチングアプリを利用して、相談者様と5年にわたる交際をしたことが明らかとなりました。
2.そこで、相手方に対して、偽名を使って相談者様と交際をしたことが人格権や貞操権の侵害であること及び独身者と偽って多額の経済的負担をさせられたことは詐欺であることを理由をとして慰謝料500万円と経済的損害144万9356円の合計644万9356円を受任通知で請求しました。この受任通知は、最初LINEで送りましたが、相手方の既読がつかなかったことから改めてメールで送りました。
3.そうしたところ、相手方からすぐに連絡があり、相手方はそこから2週間以内でこちらの要求した644万9356円全額を指定された口座に入金され、無事に事件を終了することができました。

弁護士のコメント

この事件の経緯を分析するにあたって、相談者様と相手方とのLINEのやり取りを確認しましたが、徐々に相談者様が相手方にマウントをとられ、精神的に従属させられていく様がよくわかりました。相談者様が相手方にすがりつくようにお金を出し、相手方の言葉の暴力に耐える様は見ていた非常につらいものがありました。
そのような意味もあって、当方の損害賠償金額全額を相手方から速やかに回収することができたのでよかったと思います。相談者様も素早く満額回収できたことにとても喜んでいました。この事件の結果を受けて、相談者様は借金を完済し、新たな人生のスタートを切ることができそうです。
今回の事件を見て思ったのは、マッチングアプリの危うさです。本人確認については年齢確認の意味もあって割と多くのマッチングアプリでなされていますが、独身かどうかまでの確認はほとんどされていないのが実情のようです。交際するという場合、そこには並々ならぬ思いがあります。今回の相手方のように既婚者であることを隠して独身と偽ることは、その思いを踏みにじるものです。
本件と離れますが、今般詐欺被害の場面でもマッチングアプリが詐欺のきっかけになることが増えてきました。マッチングアプリで交際や結婚に至ったという話も聞きますが、現実に面識のある相手と異なり、相手方について確かな情報が少ない分利用について十分に警戒すべきであると思いました。

【有責配偶者からの離婚請求・不倫相手との間に子供】状況を見て強みを冷静に判断。相手方に対して強気の対応を行って有責配偶者から離婚請求を実現させました。

2021年7月19日  未分類 

■相談事例

相談者様は、本件依頼時30代の男性です。相手方である妻との間に小学生の子2名がいます。相談時の時点で結婚歴約12年でした。婚姻中に毎月約12万円の住宅ローンを組んで自宅不動産を購入していました。自宅不動産は立地に問題があったため、オーバーローンの物件でした。
相談者様は、年収650万円程度の収入があり、相手方もその給与はわかりませんでしたが、正社員で働いていましたので家族世帯でみたときには十分な収入がありました。しかしながら、家計の管理を相手方がしており、毎月4万円というお金を渡されるだけで、相談者様は、収入に比して苦しい生活を余儀なくされていました。また、相手方からはぞんざいに扱われ、家庭での居場所がありませんでした。
相談者様と交際関係となる女性(以下、「交際女性」と言います。)と出会い、相談者様は不倫関係になりました。そして、相手方との離婚を考えるようになり、相手方に対して離婚の申し入れをしたところ、相談者様と相手方は別居するようになり、申立人は自宅不動産を出て、交際女性とのもとで生活することになりました。
その後、交際女性が相談者様の子を妊娠していることがわかり、交際女性は子供を出産しました。そして、相談者様は、交際女性との子供を認知しました。
別居時に婚姻費用のことは取り決めておらず、それまでどおり、相談者様の給与の入る口座を相手方が管理していました。相談者様は、毎月4万円のもらいに行くという生活をしばらく続けていました。しかし、交際女性も出産のため働けくことができなくなり、生活が苦しいことから、相手方から給与口座の通帳とキャッシュカードを返却を受けましたが、その後も住宅ローンと毎月平均12万円余りの婚姻費用を支払い続けていました。
このような状況の中で、相談者様は離婚調停の申し立てをしましたが、相手方が出頭せず、調停は不成立に終わりました。また、当事務所の以外の別の弁護士に委任して事件処理を依頼しましたが、離婚する勝算を示すことができず、頼りなく感じていました。なお、相談者様が弁護士に依頼して間もなく、相手方も弁護士に依頼をしました。そこで、新たに何人かの弁護士に相談をしましたが、相談者様が有責配偶者であることから、どの弁護士からも概ね粘り強く交渉するしかないというアドバイスしかしてもらえませんでした。そのような中で、相談者様は当事務所の弁護士に相談し、その方針に希望を見出すことができたので、当事務所の弁護士に依頼することにしました。

■解決結果

1.弁護士は、相手方が同居を求めていないことから相手方が復縁を求めているわけではなく、相談者様に今後も住宅ローン及び多額の婚姻費用を負担させて、自分は負担なく自宅不動産に住み続けることが、相手方が婚姻を継続する目的であると判断しました。また、相談者様にはオーバーローンの不動産以外と実親に相手方との子供のためにかけてもらった学資保険以外に見るべき財産はなく、学資保険を含めても相談者様の総財産は債務超過にあることを相談者様の強みとし、離婚ができなければ自己破産を行うこと交渉材料に交渉を進めることにしました。自己破産になれば、第三者に自宅不動産が売却される可能性があり、それを相手方は嫌がると判断したからです。相談者様もいつまでも自分が住みもしない住宅ローンの負担をするのは納得いかなかったので、離婚が上手くいかない場合には生活を楽にするために自己破産をすることを決意していました。

2.弁護士は、受任通知を送るとともに、相談者様には交際女性との間に子供がおり、相手方との離婚する意思を固めていることから慰謝料を100万円支払うという内容の離婚条件案を提示するとともに、応じなければ債務超過を理由に自己破産などの法的整理を行う可能性があることを伝えましたが、相手方は離婚に応じませんでした。相手方が離婚条件に応じないたびに婚姻費用を切り下げていくことにしていましたので、相手方が離婚条件を拒否するたびに毎月に婚姻費用の振込額を減額していきました。相手方弁護士から婚姻費用をきちんと支払うようにとの抗議を受けましたが、婚姻費用の合意はなく、こちらが妥当と判断した金額を振り込んでいくとだけ回答しました。

3.また、相手方は相談者様との子供たちに、離婚が迫られていることを暴露してしまいました。そして、不安定になった子供たちの精神的フォローのため面会交流をするように相談者様に求めてきました。初めは面会交流に応じることにしましたが、相手方の精神を圧迫するため、相手方が離婚条件を拒否するたびにその回数や頻度を減らしていきました。

4.相手方が離婚条件を拒否し続け、婚姻費用が減額されていった結果、相手方はしびれを切らして、婚姻費用分担請求調停を起こしました。以前は裁判所に出てこなかった相手方を裁判所に引っ張り出すことに成功しました。
それに合わせてこちらからも、離婚調停と面会交流調停を申し立て、婚姻費用と併合して審理を進めることにしました。面会交流調停は相手方の間の子供との面会を行わないという申立です。相手方が自分の子供との面会にこだわっているようでしたので、離婚しなければ面会しないと伝える意図で申し立てました。また、断固たる態度を示すため、婚姻費用分担調停を起こされたのをきっかけに婚姻費用の支払を止めました。

5.婚姻費用分担調停では、相手方の収入がこちらの想定よりもかなり大きいことがわかり、相手方がそれなり自分名義で財産をため込んでいることが予測できました。そこで、財産分与になれば相談者様が相手方からかなりの分与を受けられる公算が大きくなりました。また、婚姻費用も大きな金額にならずに済みそうでした。

6.しかし、離婚調停については有責配偶者であるため、調停委員の対応は冷たく、「早く相手方が納得するような離婚条件をもってくるように」というばかりでした。財産分与を主張しているにもかかわらず、双方の財産開示にすら消極的でした。弁護士はあまりに冷淡な態度をとり続ける調停員に対して厳しく対応し続けました。弁護士が「この離婚調停でまとまらなければ自己破産すると伝えてください。」と言うと、調停委員も「そんな発言していいんですかね。」と言い返してきましたが、弁護士は「いいんですよ。そのまま伝えてください。」と伝えました。

7.このように調停員に対処しつつ、調停を続けた結果、最終的に慰謝料200万円、財産分与として自宅不動産の名義変更と住宅ローンの名義変更(相談者様は住宅ローンから解放されました。)、養育費子供一人につき2万6000円という条件で離婚が成立しました。面会交流については特に何も決めずに終わりました。また、早期離婚が一番の希望でしたので、財産分与についてはそこまで追求しませんでした。なお、相手方は交際女性についても慰謝料請求をしていましたが、あわせて調停することとし、交際女性と相手方との間には何らの債権債務がないという条項だけが設けられました。

■弁護士のコメント

かなり苛烈な方法をとったと思いますが、相談者様はこちらのペースで離婚を進めることができたととても喜んで頂きました。

交際女性との間に子供ができて認知していることから有責配偶者であることは戸籍謄本をみればすぐにわかる状態でした。もちろん、有責配偶者となれば離婚条件が厳しくなることはよく知っています。ただ、有責配偶者であることは確定してしまっているので、これ以上、不利にもならないとも考えていました。そのため、容赦なくこちらの強みを生かし、相手方の弱点を突き、ストレスを与えることに注力できました。相手方に、①自己破産により、自宅不動産がなくなるなり、引っ越しだけでなく子供たちの転校を余儀なくされたりすること、②当たり前に手に入っていた婚姻費用が手に入らなくなること、③財産分与として多額の財産を負担させられること、という3つの恐怖とストレスを与え続けた結果、無事に離婚することができました。

今回の勝因は、有責配偶者であるという時点で思考停止せずに、状況を冷静に分析して戦略的に行動したこと、裁判所の妙な圧力に屈しなかったことだと思います。

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