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弁護士コラム

2021年03月の投稿

お子様の親権を相手方へと変更しました。

2021年3月29日  親権 

■相談事例

1.相談者様は、本件依頼時20代の女性です。相談者様と相手方は、本件依頼時の約5年前に、相手方が仕事をせず、就職しても長く続かなかったこと、家事や育児に対して全く協力的でなかったこと離婚しました。元夫である相手方との間に小学校1年生(本件依頼時)のお子様が1人いますが、その際にお子様の親権は相談者様が取得しました。

その後、相談者様はシングルマザーとして働きながら懸命にお子様を育てました。また、相談者様は、相手方を軽蔑し、強い嫌悪感を抱きながらも、相手方とお子様の面会交流を定期的に実施していました。

2.ところが、ある時、たまたま都合がつかなくなり、面会交流が2回連続で実施できなかったことがありました。そうしたところ、相手方は、深夜に男性4名で相談者様宅に押しかけ、未成年者と会わせるように強く迫ってきました。相談者様は多人数で押しかけられたことで怖くなって居留守を使いました。そうしたところ、相手方らは、相談者様がお子様を虐待しているという虚偽の通報をして、警察官を呼び出し、警察官のいる前で、「お子様を病院へ連れて行く」、「お子様の安全が確認できないと帰らない」などと言い張りました。

相談者様は、虐待など全くしたことがなく、夜間の救急病院にいけばすぐにその疑いは晴れると考えたため、警察官の説得を受けて、相手方と翌日午前10時までにお子様を連れ帰るという約束して、未成年者を相手方に引き渡しました。ところが、相手方らはその約束を破り、お子様を返そうとしませんでした。

そこで,相談者様は,警察に相談。その結果、相談者様は、警察の説得の結果、約束の日から2日後にようやく警察署でお子様を返してもらうことができました。相手方は,このトラブルの中で相手方が虐待をでっちあげてお子様を誘拐したと認識しており,相手方と関わりたくないとの思いを強く感じました。

3.その後も,相手方とお子様を我慢しながら継続していましたが、相手方が誘拐まがいの方法をとったことに対する不信が払拭されることはありませんでした。

そんな中、さらに児童相談所から、相談者様に、相談者様がお子様に虐待をしている疑いがあるとの連絡がありました。このことを受けて、相談者様は再度相手方が虐待をでっちあげたと考え、相手方を信用することはできない、理由をつけて再度お子様を連れ去ろうとしていると考えました。

そこで、相談者様は、相手方と連絡を断ち、面会交流をやめました。そうしたところ、相手方は、それまで行っていた養育費の支払を取りやめました。

その後、相手方は、家庭裁判所に対して面会交流調停の申立を行いました。それを受けて、相談者様は当事務所の弁護士に相談して本件事件を依頼しました。

 

■解決結果

1.相談者様の希望は、今後の人生で相手方と関わらないことでした。弁護士は、現在の家庭裁判所の実務が原則として面会交流を実施するとしていることから厳しいとは思いつつも、お子様と相手方との面会交流を実施しないということを目標に戦略を練りました。

まず、養育費の未払は面会交流の否定事由になること、離婚時に相手方が無職であることを前提に養育費の取り決めがなされており、その後、相手方が就職している可能性が高かったことから相手方に対して養育費増額調停の申立を行いました。その一方で、虚偽の虐待をでっちあげてお子様を連れ去ったこと、養育費を支払っていないことなどを理由に面会交流を拒絶する主張を展開しました。

2.そうしたところ、相手方は、未だに就業しておらず、未払となっている養育費についても暫く時間を経過しなければ支払う目途が立っていないと主張してきました。養育費増額調停については、このまま維持をしてもかえって養育費が減額されてしまう可能性があることや既に養育費の未払については裁判所に十分理解してもらえたことを理由に取り下げました。

3.相談者様は調停を進めながら、弁護士と話し合う中で自身の気持ちを整理していきました。相談者様は、今後の人生で二度と相手方に関わりたくないこと、ここで仮に面会交流を拒絶することが出来ても、しばらく時間が経過すれば相手方から再度面会交流の調停が申し立てられる可能性があり、結局相手方と関わりを持たざるをえないことから、相談者様は相手方にお子様の親権を譲ることを決めました。これを受けて、弁護士はお子様の親権者を相手方とする親権者変更調停を申し立てました。

4.その一方で、面会交流の審理は進み、家庭裁判所の調査官による調査が行われましたが、養育費の未払や相手方の誘拐まがいのやり方にもかかわらず、面会交流を実施するべきであるとの調査官意見が出されました。

5.そして、こちらから親権者変更に関する調停案を提案したところ、相手方がこれに同意しました。そして、親権者を相手方に変更する調停が成立するとともに、相手方は今後申立人に一切連絡をしないという合意が成立し、お子様を相手方に引き渡しました。

 

■弁護士のコメント

1.受任当初は、親権者を変更するということは全く想像できていませんでした。なぜなら、話を聞く限り、相談者様とお子様との関係はとても良好であり、親権者を変えるというのは想像できなかったからです。一方で、相談者様の相手方への強い嫌悪感を察することもできました。

相談者様は、今後の人生を考えていく中で自らの気持ちを整理し、親権を相手方に変更して2度と相手方にもお子様に関わらないと決意し、この結論に至りました。私は、相談者様の決意を尊重して事件処理しました。

2.裁判所からは、調停の席上、相談者様とお子様の仲が良好であることから親権を手放す必要はないのではとの意見も寄せられました。しかし、裁判所は面会交流を認める方向で動いており、相談者様の気持ちを理解できていなかったため、相談者様は裁判所の言葉に不信感を募らせるばかりでした。

私は、調停を見ていて、裁判所が相場の結論に落ち着かせるために手続を進めていると感じており、一つ一つの手続が形式的なものに感じられました。最初から決まった結論に押し込むための、形式的な手続では当事者の理解や納得は得られないのではないかと思いました。

3.今回の事件で、事件を解決する方法として、親権を手放すという方法があるということがわかりました。親権者となるとお子様と一緒に生活できるという反面、重い責任が伴います。一方で様々な事情から親権を維持することが望ましくない事情もあると考えられます。例えば、親権者の著しい体調や経済状況の悪化、ストレスからお子様を虐待してしまうことなどの事情が考えられます。このような場合に親権を元配偶者に変更するという方法は一つの解決手段として取りうるのではないかと思いました。

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