相談事例
相談者様は、本件依頼時30代の男性です。
相談者様は、女性Aといわゆる男女の関係にあり、Aが相手方と入籍後に2,3回ほど性交渉を行いました。その後、相談者様はAと関係を精算し、それ以降はたまに連絡をとる程度で直接会うこともなくなりました。
最後に不貞行為をした後6年ほどして、Aの夫である相手方が、弁護士に依頼して、相談者様に不貞を理由とする300万円の慰謝料請求の内容証明郵便通知書を送付し、それが相談者様の職場宛に届きました。
相談者様は、突然の請求に驚き、当事務所の弁護士に相談し、弁護士に本件事件を委任しました。
解決結果
1.相談者様は、Aとの関係を解消した後に婚姻をしており、このトラブルが裁判所に持ち込まれ、相談者様の奥様に知られることは避けたいという考えがありました。一方で、相談者様には、ある程度の慰謝料を支払うだけのお金はなく、それを貯めるためには時間が必要でした。
2.弁護士は、過去に不貞行為については謝罪するとともに、6年前の不貞行為を問題としていることから消滅時効の主張を行いました。また、調査の結果として、相手方とAが同居を解消しておらず、離婚していないということから不貞関係が破綻したと認められないこと、不貞関係は婚姻後まもなく数回行われただけであり、継続的な不貞の事案と比べて悪質性が弱く、高額な慰謝料は認められないことを主張しました。そのうえで、早期解決の関係から20万円の解決金を支払うことを提案しました。
3.それに対して、相手方は、不貞行為を認識したのは最近であることから消滅時効の主張は認められないことや、不貞関係により離婚協議中であることを反論してきました。そのうえで、20万円は安すぎる旨を述べてきました。
4.このスタンスで、相手方としては無理にでも訴訟にすることはないだろうと弁護士は予測。訴訟をさせないように牽制しつつ、金額交渉をじりじりと行い、相談者様がお金の用意ができるのを待ちました。最終的に8カ月で相談者様もお金を用意することができ、その段階で解決金90万円という訴訟外の和解が成立しました。
弁護士のコメント
裁判を絶対に避けたいという相談者様のご意向を優先するとともに、相手方との金額交渉を伸ばして資金を用意する時間を稼ぐことを念頭において交渉し、結果として狙い通りの解決に持って行けたと思います。相手方が離婚するのかどうかわからないところがあり、不確定要素は多かったので解決金の判断には悩みましたが、訴訟リスクをとらないことを優先しました。
相談者様の希望を叶えることができてよかったと思います。